皆様の頭の上に20kgの米俵が乗っている状況をイメージして下さい。
そして肩幅くらいに足を拡げ、足の位置はその場のままで、米俵を載せた状態で体を左右に揺
らしてみて下さい。 イメージでもわかるかと思われますが、両足や腹筋の踏ん張る力が非常に
必要となります。
次は米俵を頭の上から降ろしてみて、同じように体を左右に揺らしてみて下さい。 イメージ上で
も全然踏ん張る力が違うかと思います。 家も同じで、家の頭が重たいと、足元踏ん張る力が非
常に必要となります。
最近はガルバリウム鋼板といわれるブリキのような屋根が多いですが、一昔前では土を載せた
上に瓦を載せるという工法が主流でした。 しかし、この「土+瓦」は重さにすると1㎡あたり約
100kg、一坪で約300kgもあるのです。 60㎡の屋根の家なら6トンです。 この重さの家を支え
ようとすると、必要耐力(持っていなければならない「地震に耐える力」)がものすごく要ることが
想像できるかと思われます。 また、その重さの揺れに耐えようと思ったらどのくらい下半身強化
をしないといけないか分かるかと思われます。
家の評点は「家が持っている力 / 持っていなければならない力」なので、「持っていなければ
ならない力」が非常に大きいと、いくら壁を強くしたところで焼石に水…とまではいきませんが、
壁を補強しないといけない箇所数が必然的に増えていきます。
屋根を軽くすることが家の耐震性を上げる近道であり、初めに考えるべき有効な耐震化だと
思っています。